化粧品とジャム論

足元注意で

真夏の方程式/東野圭吾

今更ながら、真夏の方程式東野圭吾著を読了しました。一言で感想を述べるならば、献身愛の揺らがなさ。人によってはイマイチと感じることもあると思いますが、私にとっては非常にツボなお話でした。

あらすじ

「夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。」

最初、この元刑事が何か悪いこと、犯罪に関わっていたのかなーと思ったのですが、実際はその逆で。元刑事の人柄が描写されるたび、責任感が強く、情に厚い人だと言うことがわかってきました。

ではなぜこの元刑事は殺されたのか?

それは、この元刑事の人柄が発端となったのです。

このお話で複雑なのは、登場人物それぞれが大切なものを守ろうと、事実を隠蔽することです。それによって事件は一筋縄ではいかなくなっていく。過去に起きた事件が、現在の事件の原因となり、そしてまた苦しむ者が出てくる。常に誰かが苦しまなくてはいけなくなってくる。でも、根底にある気持ちは無償の愛、献身の気持ちだった。それがとても心にきました。

実の親子だからこそ守ろうとする、自分の正義のために守ろうとする、どの気持ちも間違いじゃなくて正解で。けど、そのひとつ、歯車が狂ってしまっただけで、壊されてしまう。

殺された元刑事が玻璃に来た理由、それを考えたとき、泣かずにはいられません。